久しぶりにベリートレンズ

とりおたです。
ブログを始めたいなと思ってから準備期間が2年ほどありました。その最初の最初に購入したのが、アメリカのウォーレンサックという会社の作ったソフトレンズ、ベリートです。


以前も持っていたのですが、100年前のもので、カメラをいろいろ改造したりしなければ実用化できず、その費用が高額だったので、結局あきらめて手放したのでした。しかし、いま考えたら、あきらめずにじっくり、必要なものをいっぺんに揃えず、ジワジワと準備していけば実用化まで行けたのではないかと後悔しています。


そこで、ちょっと歳を取って、じっくりいくことを覚えたので、一気に必要なものを買わずに、ひとつ、ひとつ揃えていきました。


はじめはレンズだけ買いました。これをレンズボードにつけるためには座金が必要です。ヤフオクでヤマカンで買ってみたりすると、サイズが合わなかったり。サイズが合っててもピッチが違って入らない場合すらあるのだそうです。これは大変なことになったな。特注で作ってもらおうか、などと考えて、その前に相模原の有名なお店を訪れました。


そしたら奇跡的にぴったりの座金が見つかりました!今度はその座金を、ボードに取り付けないとなりません。自分でやろうかとも思ったのですが、大判カメラの加工を専門にやっているお店に依頼し、見事に美しくくっつけてもらいました。そのため東京に行き、そこで重い風邪になり、咳が止まらず眠れない状態で、ブログの最初の記事をアップしたのを今も思い出します。


このベリートレンズはかなり重たいため、取り付ける4×5判のカメラを木製のものを選ぶと、きっと強度的に無理だろうと思いました。やはりガッチリした金属のカメラで、レールの強度がすごく強いリンホフが欲しい。でも高いから無理だろうと思っていたところ、サビサビのひどいものが安く見つかり、なんとか入手できました。


これで撮影に行けるのかというとまだ部品がいるのです。もしフィルムで撮るのであれば、この100年前のレンズにはシャッターがついてないので、シャッターをどうにかしないとなりません。これはまだ今後の課題になっています。


もう一つの方法は、バックにデジカメをくっつけてしまう方法です。これはランニングコストもかからず、いいと思っていました。4×5カメラのバックにEOSのカメラをくっつけるアダプターをヤフオクで見つけ、それにさらにEOS用の接写リングをかませることにより、ついにこの100年前のレンズが実用可能になりました。


こんな様子になります。





ベリート EOSに




このシステムを完成するのに苦節2年?いや3年かかっています。


これで近所の春の花を撮ってみました。





ベリート 菜の花




大判用のレンズですので、デジカメにつけるとかなりの望遠になります。





ホトケノザ ベリート




ベリート ホトケノザ




ベリート たんぽぽ




去年は、アダプターがなかったので、リンホフの後ろにレンズを外したEOSをそのまま構えて、適当に撮っていました。それですとピント合わせもままならず、ベリートの真価を引き出すことはかなり難しい状態でした。雑に撮った写真ばかりですが過去記事のリンクを貼っておきます。



ベリート8.3/4inch

ベリート その2

ベリート その3

ベリート その4

ちょうど桜が咲き出しています。間に合ってよかったです。

ローライコードとカラーネガで撮った

とりおたです。
このところ体が変わったのか、夜起きていられなくなり、気絶するようにバタンと寝てしまいます。その代わり朝早く目が覚めます。


直してもらったローライコードで、ネガで撮った写真が現像されました。古いレンズなので、コーティングがなく、色があまり乗らないです。そこがまたなにか水彩画を思わせるような感じになり、案外気に入りました。





ローライコード 山梨の春




これは逆光ではなかったので、案外と濃い色が出ています。山梨らしい風景です。





ローライコード 河口湖 富士山




ここでは、そこまで大きく絞っていなかったと思いますが、この古いローライコードは、絞りがF32までついているので、通常より大きく絞り込むことができます。シャッターの最高速度が300分の1秒と遅いため、明るい所で撮影不能にならないように、そうなっているのだと思います。絞りすぎると回折現象なるものが起きて画質が悪くなるとのことなんですが、それがまたいい感じに美しく崩れるということがあるかもしれないので、試してみたいところです。





ローライコード 接写




接写レンズをつけて絞り開け気味で撮りました。3枚玉レンズの収差が出て、周辺がグルグルしています。しかしこれのおかげで、中心部は浮き立って見える効果もあると言われています。上手な人はこれを作画に生かすのでしょうね。





ローライコード 早春




水彩画だなと思ったのはこのコマです。初心者のときに、なかなかうまく撮れないなと悩んでいて、いろんな写真の本を読むと、「被写体にもっと接近しろ。撮りたいものを大きく撮れ」みたいなことが書いてあり、それを意識し過ぎて、なんでもどアップで撮ってしまう接写バカになってしまいました。


その癖を直そうと考えていて、少し引いた位置からいい絵を撮れるようにしたいなと考えています。


そうは言ってもこの絵は、あと少し何歩か前に立って撮ればもっと良かったかな?畑を踏み荒らすわけにはいかないので、仕方がありませんでしたが。


撮っている最中には、あーまたつまらないものを撮って、フィルム無駄にしてしまった。とクヨクヨしていましたが、見てみると案外と気に入った絵ができ、喜んでいます。