ニコマートFTn



こんばんは、とりおたです。
落として凹んでしまったニコンF2は、ちゃんとした修理やさんに修理を頼みました。修理の間つかえなくなる予備として、このニコマートを用意してあったのです。このカメラ、私が写真を始めたとき、最初に使ったモデルで、懐かしかったというのもあります。ハードオフなどのリサイクルショップに安く転がっているこうした類の金属一眼レフの中では、一番傷んでる率が少なく、完動率が高いように思っています。


カメラ始めるきっかけになったのが、学生のときにバイクで奥日光に行ったことです。ちょっといろいろとつらいことがあり、雨に濡れながらやけくそにいろは坂を上がっていきました。霧がかかっていて、山水画のような風景が広がっていました。北海道育ちのとりおたには、断崖絶壁のその景色がすばらしく感動的でした。そして、坂道を登りきったところで、突然晴れて、男体山が姿を現わしました。その光景があまりにドラマチックだったので、おぉとおもって、生まれて初めて写真を撮ろうと思いました。写ルンですを自販機で買い、説明見ながらなんとか写して、ワクワクで帰って、現像とプリントを頼みました。かえってきてびっくりです。写そうとしたものは何一つ写っていません。


でも世の中にはたくさんのすごい写真がある。ちゃんと勉強すれば自分にも撮れるのだろうか。でも機械類の操作は、最も自分の苦手とする分野でした。そこで悩んで出した結論が、「普通の人が1年かかることを10年かけるつもりでやれば、私にもなんとかなるかもしれない」そのときなぜかそのように思って、実家に古いカメラがあったなと思い出して、送ってもらった二台のうちの一台がニコマートでした。そのときのニコマートはどうなったのか記憶がないのですが、とにかく、ニコマートで始まった写真人生です。初めてのフィルムは、フィルム装填に失敗し、「未露光」と書かれて帰ってきました。


そのあと悪戦苦闘しながら使い方を覚え、富士山を撮りに山梨に行きました。そのときの写真も残っていないのですが、取っておけばよかったなと思います。


そんなわけでニコマートを手にしますと、写真を始めた時の気持ちなどが蘇ってきます。自分にもできるかな?やっぱり無理かな?と、ドキドキしながら撮り、予想よりすごく良く写っていてびっくりしたり。それから随分と年月も経ってしまいました。ぶれない人はかっこいいのですが、とりおたの考えは二転三転し、ぶれまくりな人生です。もう写真はやらないと決めたのにまた始めてしまったし。ジャンクカメラは集めないと決めたのになんでしょうこの台数は。


小さなフィルムでしか撮れないわりにクソ重たいこのカメラをあまり気にいることはなく、ほどなく使わなくなったのですが、今手にとってみるとまた違う感じを受けます。雑に扱われてきていることが多いカメラですが、それでも元気に動いてしまう頑丈さ。すっきり見やすいファインダー。F2は気に入りすぎているので、こちらの方がガンガン使うようになり、役立ってしまうかもしれません。


この種の機材は今はほんとに下手すればワンコインで買えてしまうわけですが、中をあければありえないほどのたくさんの部品がギッチリつまっていて、高い技術でたいへんな手間をかけて組み立てられています。大切にしてあげれば驚くほどの長い期間活躍してくれるものなので、安いからと言って雑に粗末に扱われて捨てられてしまうことがないように祈っています。そのためにはいい写真を撮らないとですね。



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