とりおたです。
遅くなってすみません一泊お願いしますと受付のお姉さんに言ったら、そこの用紙に記入をお願いしますと。
疲れすぎて字がまともに書けません。
そして鼻をたらしながら部屋に案内されます。
なんと、こんな遅くに着いたのに夕食オーケーだそうです。もちろんお願いします!
必死だったので写真を撮るのを失念しておりましたが、サバの味噌煮、肉じゃが、あと野菜がいろいろついています。筋肉を破壊しまくったあとなので、たんぱく質が摂れるのはとても助かります。
疲れた体にしみわたります。極上のお味でした。
食べて、ふとんをしいて横になると、さすがにもう何もできなくなります。あ、山頂付近でブログ更新ってやってみたかったんだよな。
それで記事を書きました。
15年ぶりの北岳は、想像を、はるかに超えてきつかった
記事を書いたらiPhoneの電池が一気に減りました。
こんなこともあろうかと、モバイルバッテリーを持ってきたよ!
ところがお約束通り、電池は持ってきたけどケーブルを忘れて、使えませんでした。
まあ、山に行くのに登山靴を忘れて、諦めて帰ったこともありますから、このくらいは仕方がない。
忘れまくる
少し寝たら元気になった(気がした)ので、外に出て夜景の撮影です。
月明かりに照らされた富士山が、雲につつまれてふんわりとたたずんでいます。これをヤマカン露出で撮り、北岳と星もまたヤマカン露出で撮って戻ってきました。このへんはiPhoneでは撮れなかったので写真は無しです。
ここでニコンのD750があったらすごいことになりそうですね。
過去4回北岳に登っており、4回とも山小屋では高山病による頭痛と吐き気に苦しめられています。ところが今回は、10時間もかけて登ったせいなのか、高度順化がうまくいったということなのか、ごく軽い頭痛で済みました。
逆に疲れすぎて、眠れず、考えるのは翌日のことです。一番不安なのが、帰りに、きつい登山靴でつま先が痛むのではないかということでした。あとそもそも体力的に下までちゃんと戻れるのか。
そんなことばかり考えて、2時間くらいしか寝ていません。そしたら部屋の電気がついたので、見てみると朝4:00。
さすが山の朝は早いな。荷物を整理して、朝焼けの撮影の準備でもしよう。
朝食は、焼きシャケと、野菜と、ウインナー入り卵焼き。事前にネットで調べていた通り、お魚主体のメニューなようです。
カップルで来ている若い二人のうち、男性が、ご飯を山のように盛って食べています。なんでも、一食に2.5合食べるのだそう。
食べ終わる頃には富士山がいい感じの色になりました。これは撮らなければ。
iPhoneでは露出の調整ができず、オーバーになってしまいます。これはしかたがない。
帰り道は、北岳山頂を踏んでから、肩の小屋方面に降りて、そっちルートで帰ることにして、登り始めました。
北岳山荘に泊まったからこちらの角度からの北岳を見ることができました。初めて泊まりましたが、快適な宿で、くつろぐことが出来ました。スタッフのみなさんありがとうございました!
土曜の夜なんかはかなり混むようです。可能なら日をずらして行けば、快適に楽しめると思います。
北岳山荘
きつかった北岳の続き
とりおたです。
混雑を避けようと、日曜月曜ではなく、月曜火曜の一泊二日にしました。すると、日月で登っていた人たちが大量に下山してきます。
みなさん礼儀正しいので、「こんにちはー」と声をかけてくれます。ただ、登りでしんどくてきついときに何百人にこんにちはを言うことになります。
これは地味にきつい。
でも、山ではいつ誰にお世話になるかわからないですからね。ちゃんとしておかないと、とは思うのです。思いつつ無愛想になってしまいました。この場を借りておわびします。
年配の方達もすいすいと登ってゆきます。私のように一歩歩いては休み、一歩歩いてはため息をつき、という人はいなかったです。
サイズの合っていない革の登山靴が当たり、かかとが常に擦れてきます。朝8時頃から登り出して、今2時か。日没までに山小屋に行けるのか微妙なところになっています。
そのときちょうど、北岳バットレスが見えましたが、晴れていた空が曇り、巨大な岩壁がなんとなく恐ろしく思われました。
それでも15年ぶりの北岳、すごい迫力で迫ってきます。
必死に登るうちに、午後2時を回りました。私の後ろから登ってくる人はいない模様です。
前回も貼ったこの写真。肉眼で見るとこの巨大な岩壁が、人を寄せ付けないような怖さを感じさせました。
つわものは、ここをロッククライミングするんだ。
信じられないな。
このあたりで、撤退という考えが浮かびました。山小屋までたどり着けそうにないと。
ところが、帰るには高く登りすぎてしまっています。一歩歩くごとに痛む足をひきずって、このきつい傾斜の下りを下る。最後のバスに間に合わないかもしれない。というか確実に間に合わない。
すると、車で30分以上かかるところを、さらに歩くことになります。なかには長〜いトンネルもあります。そこを夜に抜けるという。
登るしかないみたいです。もうほんとに、近い目標を立てて頑張る。あそこの岩まで行ったら休憩。そんなことを繰り返し繰り返し、登って、はしごがたくさんなエリアに来ました。
ここへ来て、登りで大量にかいた汗が冷たい風に冷やされて、またそれが不安をあおってきました。
それでも休み休み登っていくと
毎日見ている富士山ですが、こういう高いところから見るとまた格別です。
しばし座り込んで、ゆったり眺めました。
しんどくてしんどくて、ほんと何しに来たんだろう。と後悔ばかりだったのですが、ここでテンションあがりました。
すると、男女二人組みの人たちが、ぐんぐん勢いよく登ってきました。
なんと、男性は、テントを背負って、それでもぐいぐい登ってゆきます。私の泊まろうとしている北岳山荘のテント場で泊まるとのこと。ちょっと安心しました。
彼らが先について、「まだ一人こちらへ向かっています」くらいは言ってくれるのではないかなと。
お二人は元気に登ってゆき、小さくなってゆきます。私はのんびり蛇腹カメラで富士山を撮ったりしながら、重い足を一歩一歩運びます。
日が暮れてしまいます。急がないとと思いつつも足が動きません。
途中で、北岳山荘や間ノ岳に向かうショートカットの道があるのですが、そこが土砂崩れで通行止めになっており、一度北岳稜線に出てから下るようにとの指示が書いてありました。そのくらい大したことないと思ってきたら、予想以上に遠回りで、ここにたどり着いたときは感慨深いものがありました。
ここから稜線を下ることになります。
森林限界も越えて、岩ばかり。
稜線上からは、長野県側を見ることができて、この光景もなかなかすごかったです。
写真ではわかりにくいですが、左上のほうに赤い屋根の建物があります。それが今晩お世話になる北岳山荘です。見えているし、下りだし。もう安心かな。そんな風に思ったのですが、ここから想定外の距離があり、また苦戦しました。
夕日を浴びて山が真っ赤になりました。あまり見たことがない光景です。
そしてヘロヘロになりながら午後6時に北岳山荘に到着です。今回の写真もすべてiPhone5sです。